星降る川に
2007年 07月 09日
期待していたわけじゃない。
断じて、そんなことはない。
のだけれど……。
今居るところは、ごく普通のビジネスホテル。
軽いユニットバスがついているだけの、いわば寝るためだけのホテル。
隆ちゃんは、ごく普通に二人用の部屋をとった。
一人にされても困るし、金銭的にも大変だとはいえ、一切の躊躇がないというのはどういうことだろう。
そりゃあ、隆ちゃんに限って、そんな色気を期待してもダメだろう。
そもそも「何か」あったほうが問題だし……。
「って、私は何を考えて……。」
心の底からため息があふれてきた。
一度、シャワーを水に戻して頭を思いっきり冷やす。
それから、また温水にして体を流す。
「はぁ……」
シャワーからあがって様子を見ると、予想通りというかなんというか。
正直、あれだけぎゃあぎゃあと(頭の中で)騒いでいた自分がひどくバカなんじゃないかとすら思える。
「明日も走り通しだから、早く寝たほうがいいよ。」
の弁にたがわず、隆ちゃんは、自分でそれを実行していた。
要するに、先に寝てしまっていた。
「……はぁ。」
ため息が止まらない。
仕方なく、私も寝ることにした。
by cursedbird
| 2007-07-09 21:06
| 小説