ValentineDream -Opening-
2007年 01月 31日
とある中学校。その三年三組の教室。
「バレンタインはね、一年に一度、女の子が積極的になれる
神様がくれた勇気の出る日なの!」
一人の少女が胸の前で手を組み、多少大げさに語る。
「ミー、あんたまだそんなこと言ってるの?」
「乙女だねー。」
語られていた二人の少女が笑い、ミーと呼ばれた少女がむくれる。
長めのお下げ髪が特徴的な彼女の名前は、木村美崎(キムラミサキ)。
「むー、チカちゃんもアキちゃんも、酷いよー・・・・・・。」
真剣に落ち込む美崎を見て、
髪を短くそろえたボーイッシュな少女、長谷知佳(ナガヤチカ)と、
ややおかっぱ気味な少女、七川秋菜(ナナカワアキナ)が、さらに笑う。
同じ教室の別な一角。
「いよいよだな。」
坊主頭の男子が一人ほくそえむ。
「ん?何が。」
いかにも「テキトー」感が抜けない髪型の男子が顔を上げる。
その、イマイチ意図が伝わってなさそうな返事に、坊主頭の男子が顔をしかめる。
「お前、それ本気で言ってんのか?ヴァレンタインを知らないと?」
舌を巻いて、やけにねちっこく発音をする。
「それでもお前は男なのか本田ァァァアァァーーーー!!」
最後に大声で叫ぶ。クラス中の視線が痛い。
やがて、「いつものことか」と視線が散り始めた頃、
本田こと本田誠治(ホンダセイジ)は大きくため息をついた。
「はぁ。そういや、もうすぐだったな。・・・・・・てか、叫ぶな。そのくらいで。
でも、今年は土曜じゃん。学校ないけど?」
それは二月十二日の昼休みの出来事。
「バレンタインはね、一年に一度、女の子が積極的になれる
神様がくれた勇気の出る日なの!」
一人の少女が胸の前で手を組み、多少大げさに語る。
「ミー、あんたまだそんなこと言ってるの?」
「乙女だねー。」
語られていた二人の少女が笑い、ミーと呼ばれた少女がむくれる。
長めのお下げ髪が特徴的な彼女の名前は、木村美崎(キムラミサキ)。
「むー、チカちゃんもアキちゃんも、酷いよー・・・・・・。」
真剣に落ち込む美崎を見て、
髪を短くそろえたボーイッシュな少女、長谷知佳(ナガヤチカ)と、
ややおかっぱ気味な少女、七川秋菜(ナナカワアキナ)が、さらに笑う。
同じ教室の別な一角。
「いよいよだな。」
坊主頭の男子が一人ほくそえむ。
「ん?何が。」
いかにも「テキトー」感が抜けない髪型の男子が顔を上げる。
その、イマイチ意図が伝わってなさそうな返事に、坊主頭の男子が顔をしかめる。
「お前、それ本気で言ってんのか?ヴァレンタインを知らないと?」
舌を巻いて、やけにねちっこく発音をする。
「それでもお前は男なのか本田ァァァアァァーーーー!!」
最後に大声で叫ぶ。クラス中の視線が痛い。
やがて、「いつものことか」と視線が散り始めた頃、
本田こと本田誠治(ホンダセイジ)は大きくため息をついた。
「はぁ。そういや、もうすぐだったな。・・・・・・てか、叫ぶな。そのくらいで。
でも、今年は土曜じゃん。学校ないけど?」
それは二月十二日の昼休みの出来事。
by cursedbird
| 2007-01-31 17:36
| 小説